石巻山と奈良の三輪山は、信仰に関する多くの共通点が有ります(下表参照)。
【神体山】
石巻山、三輪山のどちらも山に神が宿るとされる神体山(または神奈備山)とされています。
【太陽信仰】
三輪山でも石巻山でも、太陽信仰が行なわれています。山頂に対し真西の方向に神社を造った場合、春分の日と秋分の日に山頂から登る朝日を神社から拝むことが出来ます。三輪山の場合多神社が、また石巻山の場合は篦矢神社がこれにあたります。
東西線に対し、約23°を成す線上に神社を造った場合には、冬至あるいは夏至の日に山頂から昇る朝日を拝むことが出来るわけです。三輪山の場合は鏡作坐天照御魂神社が、また石巻山の場合は石巻神社(下社)が冬至の朝日に、石巻山の東頭神社が夏至の朝日にあたります。(「太陽信仰」「三輪山の信仰」参照)
【磐座信仰】
岩石に神が依り付き宿るとする磐座信仰を、双方ともにあります。
(詳細は「磐座信仰」「三輪山の信仰」参照)
【聖地】
川に囲まれた地域が聖域として扱われており、三輪山では大和川と纒向川に挟まれた三角形の地域を「瑞垣郷」と呼んで、お墓などを設けないようにしているとの事です。石巻山では、神田川と三輪川に囲まれた三角形の地域には、古墳が造られていないとの事です(詳細は「聖地」「三輪山の信仰」参照)。
【蛇にまつわる伝説】
蛇にまつわる伝説を、双方とも持っています。三輪山の大物主は蛇だとのことで、大神神社境内の「巳の神杉」には、蛇の好物の卵が供えられます。
この地の嵩山では、大蛇が女にばけて卵を買いにくるという説話があります。
(詳細は「蛇にまつわる伝説」「三輪山の信仰」参照)
【神社】
石巻山では神田川と三輪川に囲まれた地域に、三輪山にいます多くの主要な神様が配されています
(詳細は「三輪山を再現したと思われる神社」「三輪山の信仰」参照)。